Step4



そんなのアリ?
ゲームの欠陥を考える




着手放棄(パス)について考えます。

 今まで碁を全くやったことがないか、あるいはそれに近い人がポン碁を始めると、大抵は碁盤の中が黒石と白石がゴチャゴチャに混ざり合ったすごい状態になります。

これは相手の石を取ることにばかり夢中になって、自分の石のことにまではなかなか気が回らないからだと思います。

しかし、しばらくして段々慣れてくると、相手の石ばかりでなく自分の石が取られそうかどうかを用心するようになります。

すると徐々に白石と黒石が、それぞれの集団を形成するようになってきて、例えば・・・、

図4-1
 このような状態になることがしばしば起こるようになります。

 このゲームは5個先取りルールで行われていて、黒白が17手ずつ計34手まで進んだところです。

 いまは黒番ですが、もうこれ以上打ちたくないと言い出しました。
黒としては、取れる見込みのある白石は無いし、今取られそうな石は4個だけですから、ここで止めれば負けは無いと考えたわけです。

 でも、白の立場からすれば「そんなのアリ?」って思いませんか。

 ポン碁は決められた数の石を取るのが最終目標ですが、相手が打つことを拒否してしまったら、絶対にその目標を達成出来なくなってしまいます。

 極論を言えば、初手から着手を放棄(パス)すれば、勝つ事が出来ないのは当然ですが、負けもない。要するにパスを無条件に認めるとゲームとして成り立たないことになってしまいます。

 そこで、ポン碁では着手放棄(パス)に下記のペナルティを科します。

   「
着手放棄(パス)一回毎に、相手に石を一個渡す。

 こうすれば、初手からパスなどと言う暴挙は不可能ですし、上の図で黒がパスすれば、盤面の黒4個と合わせて5個を白に渡すことになり、決着を付けることが出来ます。

図4-2
 もし、黒が相手に石を渡すのを嫌って、パスをせず打ち続けたとしても、空点はいずれ埋め尽くされ、結局パスをしてペナルティを支払うか、取られるのを承知で空点に打つ他はなく、最終的には決着が付きます。

もう一度確認しておきます。

着手放棄(パス)一回ごとにペナルティとして相手に石を一個渡さなければならない。



碁における着手放棄については、いずれまた取り上げたいと思います。


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