Step2



近くの他人
アタリと自殺を極める(2)




さらに一歩進んだ約束事を覚えます。


図2-9
 この図は(図1-4)と同じです。それぞれの石が4個ずつ呼吸点を持って独立しています。

 ですから、もしその呼吸点を敵石に取られると個々に窒息します。

 でも、いつでも(図1-5)のように簡単に運命共同体に変身できますので、親しい関係のご近所さんみたいなものです。
図2-10
 この図では個別に囲まれたところです。
図2-11
 取り後はこの様になります。

 復習はここまで。
図2-12
 この黒の形は「近くの他人」の究極形です。

 こんなに近くに集まっていながら4個の石は個々に独立しています。

 にも関わらず、×の点を全員で協力して守っています。
図2-13
 つまり、白からはこのようには入れません。

 なぜなら、自殺禁止の場所だからです。
図2-14
 黒はいつでもこのように運命共同体に変身できます。
図2-15
 さて、△の黒石の3方を白石が占領しています。

 つまり、△の黒は
アタリです。
 
図2-16
 白が×に打てば△の黒は取られます。

 この図は上図と白と黒の立場が入れ替わった形になっています。

 ということは、今度は黒が△に打てば白を取れる形です。

 このように、お互いの石一つを取ったり取られたり、繰り返しになる形を
「コウ」といいます。

 この形は非常に興味深い形で、碁の面白さを何倍にも広げてくれます。

 ただし今はポン碁の段階ですので、先に一個取ったとたんにゲームオーバーとなり、コウの楽しさを味わう暇がありません。

 ここでは、この形を
「コウ」と呼ぶとだけ覚えて下さい。

 詳しい説明は後のコーナーのお楽しみです。

図2-17
 さて今度は2個の黒石がいっぺんにアタリになっています。
図2-18
 ×の場所に白石が来ると・・・、
図2-19
 この図は先ほどのコウとは違って繰り返しの形にはなりません。
図2-20
 黒が×に打てば取られずにすみます。

 このことはもちろん(図2-15)でも同じです。
図2-21
 次にこれは4個の石がまとめてアタリになっている状態です。
図2-22
 白が×に打てば・・・、
図2-23
 こうなります。
図2-24
 今度の形では、黒は自殺禁止のルールにより×の点には打てません。

 (図2-12)の形は独立した4個の石でありながら、振る舞いは運命共同体とよく似ています。

 遠くの親戚より「
近くの他人」といったところでしょうか。

図2-25
 隅や辺でも事情は同じです。

 △の点に白は打てません。自殺禁止ですから。

 ×に白が打ち、△に黒が打つとどうなるか。

 頭の中に浮かびますか?
図2-26
 このようになります。

 この図で一番興味深いのは左下隅の白△と×の点の関係です。

 △の白は呼吸点が×の点一個しか有りません。

 つまり黒が×に打つと白△は取られる形です。

 これも(図2-16)同様
コウです。

 隅っこの形はついウッカリしてしまいそうです。


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