Step3



痛み分け
生き方いろいろ




眼を2個持たない生き方もあります。


 石が生きるためには、奪うことの出来ない呼吸点を2個持つ必要があります。

ここまでは、着手禁止ルールに依存した生き方を学んできましたが、このコーナーでは、お互いの損得関係のバランスで生きる方法を学びます。

図3-32
 クイズの最終問題で、白が真ん中に打つとどうなるかが宿題になっていました。

 黒は、はたして眼を作れるでしょうか。
図3-33
 とりあえず、×の所に眼を一つ確保するねらいで、○へ打ちました。

 △の所に黒石を置ければ、×が眼になります。
図3-34
 白としては、眼を作られてはいけませんので、左図のように打つことになります。
図3-35
 黒は今度、こちらに眼を作ろうとします。
図3-36
 白も当然それを防ぎます。
図3-37
 この形はなんとも・・・ 妙(?)な形です。

 白も黒も、呼吸点を2個持っています。しかも、その2個の呼吸点は黒と白が共有しています。
図3-38
 もし黒が呼吸点を一つ埋めると、双方の石がアタリです。


 そして、次は白が打つ番ですから・・・、
図3-39
 白が×に打って・・・、
図3-40
 黒はそっくり取られてしまいました。


 つまり、図3-38で黒が打った○の手は自ら取られに行ったことになり、利敵行為であった訳です。
図3-41
 では、白が呼吸点を一つ埋めたらどうなるでしょうか。
図3-42
 黒番ですから、○と打って・・・、
図3-43
 白石4個を取った後の姿です。


 この形は、クイズ第5問と同等ですから、黒の生きになります。

 つまり、白が手を出したことで、敵である黒が白石を4個も取って生きてしまいました。

 図3-41の白の手は利敵行為だった訳です。

 結局、図3-37の形は、白黒双方とも先に手を出した方が損をしてしまうのでした。

 つまり、双方とも自ら進んで損をする手を打ちませんから、図3-37の
2個の呼吸点は奪われることがありません

 ということは、
白も黒も生きていると言うことです。

 このような、着手禁止ではないが、損だからという理由で双方が手を出さないために、呼吸点が確保される状態を「
セキ」といいます。

 
奪われることのない呼吸点が2個確保されているという意味で、セキは立派な生きです。

 
セキはここで取り上げた以外にも、いろいろな形で現れます。
 (興味の有る方は見て下さい。セキの例


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